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2011年02月26日の週刊東洋経済で「官製ワーキングプア解決の切札」という記事が掲載されていました。記事では、一般競争入札の導入による単価下落が原因で、落札した企業の現場で働く従業員が十分な収入を得られない「官製ワーキングプア」と呼ばれる状況が紹介されています。そしてその解決策として、いま一部の自治体で「公契約条例」の導入に関心が高まっているそうです。地方自治体では「公契約」での業務の質の確保及び公契約の社会的な価値の向上を図るために「公契約条例」が制定されています。

そこで今回はこの「公契約条例」についてリサーチしてみたいと思います。

公契約とは?そしてその問題点とは?

まず「公契約」とは、国・地方自治体と民間企業が事業委託等を引受ける際に結ぶ契約のことを言います。これ自体は問題ないのですが、この公契約において、受託した企業の従業員が悪条件の下で働くケースが増えており、それが課題となっています。その原因としては先に挙げたとおり、行き過ぎた価格競争です。安値競争の結果、時間外・割増賃金が払われない等のしわ寄せが現場にくる悪循環に陥っているのです。そこで自治体が取組み始めたのが「公契約条例」です。

自治体で高まっている公契約条例

上記の課題に対して国はまだ有効な対策をとれていません。そこで先に動き出したのが地方自治体でした。09年9月に千葉県野田市で「公契約に係る業務の質の確保及び公契約の社会的な価値の向上を図るため」に、条例が制定されました。

<野田市公契約条例>

これは市発注の工事や委託業務において、一定以上の賃金を保障するものです。東洋経済誌によれば、このような賃金の保障は欧米諸国では既に浸透しているそうです。この動きを受け、他の自治体でも導入の動きが活発化しています。また、WEB上を検索してみると、議員への立候補者が公約に掲げるケースが散見され、いままさに問題意識が共有され始めていることを感じました。

<香川県>

<神奈川県>

落札するのであれば

従業員の幸せを願わない企業はありません。また、質の高いサービスを提供し続けるためにも、労働環境を維持する事は発注・受注の双方にとって重要な課題と言えると思います。労働環境を維持したいと考えている企業が入札案件を狙う場合は、同じ価値観をもつ自治体で応札するほうが双方にとって幸せといえるでしょう。地方自治体では個別の資格が必要になりますが、上記のような自治体を優先して資格取得を進めるのも、ひとつの指針となり得ると思います。